野菜を、おいしく食べてほしい。
今は管理栄養士として中川青果店でお惣菜やドレッシングを作ったり料理教室をしたりしています。手作りのお惣菜がスーパーではなかなか買えないことや、青果店を営んでいると傷んでくる野菜や売れない野菜が出てくるので、そういったものを無駄にしたくないという気持ちもあって、今の活動を始めました。
野菜をおいしく食べてほしい
中川:滑川市の常盤町で100年続く中川青果店を、義母とともにしています。昔ながらの青果店で、義母、義祖母、そしてその前の代から、守られてきたお店です。義母や義祖母が地域に寄り添い工夫しながらやってきたこのお店が好きで、この先も続いていくといいなとの思いと、野菜のロスを防ぐ目的もあって、手作りのお惣菜作りを始めました。
管理栄養士としての本分
中川:私は、入善町出身で県外の大学卒業後、富山県に戻り、栄養士・管理栄養士として病院や福祉施設で9年働きました。その後、フリーランスで特定保健指導や、栄養相談、離乳食教室、料理教室、食育活動などさまざまな活動をしてきました。結婚を期に滑川市に住むことになりましたが、どこか入善町と似ていて、自然がたくさんあり、動きやすく、子育てもしやすい環境だと思っています。
私自身は、管理栄養士として働いてきた中で、野菜をしっかり食べることと塩分を多くとりすぎないことが毎日の食生活で大切だと思っているのですが、外食や中食ではなかなか難しい現状があります。ないなら作ってみようと、野菜を使ったお惣菜を中心に、こんなのあったらいいなと思うものを作っていくことにしたのが始まりです。
初めは義母にも、「味が薄くて食べられない」とよく言われましたが、今では慣れてくれて外食の味付けが濃く感じるようになったと話しています。お店に来てくださるようになったお客様は、「中川さんのところへ来るようになってから検査値(血圧の値)がよくなった」と言われる方もおられます。みなさんが食を楽しみ、健康でいてほしいと願って料理しています。
自慢の「野菜がおいしいドレッシング」
中川:中川青果店を知らない人にも知ってもらえるといいなと、「野菜がおいしいドレッシング」を販売して5年になります。野菜をおいしく食べてほしいとの思いで、こめ油など国産の原材料で、保存料などの添加物を使わず、野菜をたっぷり使ったドレッシングです。野菜だけでなくお肉やお魚にも合うと好評で、リピーターの方々に支えられています。滑川市のふるさと納税返礼品としてもお選びいただいております。
地域に寄り添うお店として
中川:義母は、「冷蔵庫が壊れたらお店をやめようかな」と話していましたが、忙しい時に手伝う中で昔ながらのこのお店の良さを強く感じ、なくしたくないと思うようになり、私にできることを考えるようになりました。義母は、季節の野菜やくだもの、山菜などを仕入れ、お客様目線で会話しながら販売したり、ゆでたけのこ、梅干し、干し大根の漬物なども作ったりして、小規模だけど工夫しながら青果店をやってきました。そんな義母を尊敬していて、いろんなことを近くで学びたいという想いもありました。
長年この地域で商売をさせていただけたのは、利用してくださる地域の方や常連のお客様がいたからだと思っています。私がお惣菜販売を始めて新しく来てくださっているお客様も含めて、みなさんに支えられてあるお店なので、「中川青果店」があってよかったと思ってもらえるよう、今できることをていねいにしていきたいです。季節を感じて、野菜やくだものを選んだり、昔ながらの梅干しや漬物など郷土の文化も大切にしながら、この地域で暮らす豊かさを感じていきたいです。
調味されたご飯が手軽に食べられる時代になり、手作りする人が減ったり、野菜や果物を食べる人が減っていると感じています。食を楽しみ、選択する力を持ち、体によいものを取り入れて元気にいきいきと暮らしていけるよう、学び続けたいと思います。
〒936-0027 富山県滑川市常盤町1117
「中川青果店」℡ 076‐475‐0962
営業時間:月~土 10:00‐18:00
定休日:日曜日・祝日
HP:中川青果店|富山県滑川市 (nakagawaseikaten.com)
Instagram:中川青果店(@nakagawaseikaten)