無駄な長生きだけは御免だ。
大阪で暮らし続けることが、あるとき考えられなくなった──。地域おこし協力隊の募集をきっかけに、「自分にできることがあるかもしれない」というのが最後の一押しになり、応募から僅か2カ月足らずで移住しました。一人暮らしが初めてだったことや、雪国での生活など送ったことがないこと。移動手段も限られた中で、全てが初めてに溢れた日常を前に、生きている実感が湧きました。これからも大阪で生きていくのだろうと思っていた矢先、自分を突き動かしたのは「変わらない日常への焦り」と「何も成しえないままの人生への恐怖」だったように思います。
変哲もない幸せな毎日は、自分にとっては緩やかに坂道を下っているような気がして辛かった。このままゆっくり下った先に、何も起こらないままの人生が口を開けて待っているのだと思うと、いてもたってもいられなかった。思い立ってからの行動は自分でも驚くくらいに早かったです。富山県まで面接を受けに行くという話を家族にすると、ポカンとした顔をされました。そりゃそうなんですが、実際に移住することが決まると、あっという間に時間は過ぎて、気づけばこの滑川に住んでいました。
人生は一回きりです。どうせ生きているなら、好きなように生きてみたっていい。別に失敗したところで、死ぬわけじゃない。やるところまでやって何かを見つけながら、それが自分にとって、誰かにとって意味のあることになってくれたらいいなと思います。